総勘定元帳と仕訳帳の違い

経理の勉強を始めた時に、よく聞く言葉「総勘定元帳」「仕訳帳」。企業会計における主要な帳簿には、この2種類があります。今回はこの「総勘定元帳」「仕訳帳」の違いについてご紹介します。

2つの帳簿

そもそも企業は、すべての取引を会計帳簿に記録して保存することと会社法で定められています。
会計帳簿とは、会社が生み出す利益を計算で導き出して確定するために作成される計算書類や、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などを作成する際に基礎となる帳簿を指します。その帳簿の代表的なものが「総勘定元帳」「仕訳帳」になります。

「総勘定元帳」と「仕訳帳」は、ともに日々の取引内容を記録した帳簿です。2つの帳簿は、取引に関する情報の整理方法が、互いに異なります。

すべての取引を時系列でまとめた「仕訳帳」と、勘定科目ごとにまとめた「総勘定元帳」。青色申告の際に必要な最低限の帳簿もこの2種類になります。

仕分帳(しわけちょう)とは

会社のすべての取引が日付順に仕訳として記録します。そのため、過去の取引の全体的な内容や金額を確認したいときは、 仕訳帳の仕訳を検索することで、簡単に取引情報を探しだせます。

勘定科目は資産、負債、純資産、収益、費用の5種類のグループに分けられます。
記入する欄は、日付欄、摘要欄、元帳(もとちょう)欄、貸方・借方欄の4つです。

ところが、仕訳帳は基本的に一冊しかないため、「記帳を分担したり、取引の種類ごとに分けたりできない」という問題が発生します。それらを解消する方法として用いられるのが「伝票制」です。

総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)

総勘定元帳は仕訳帳を基に記録した帳簿です。仕訳帳がないと総勘定元帳は作成できず、両者を見ることで会社の財政状況や経営状況が把握できます。

記入する欄は、仕分帳の4つの欄に、借又は貸欄、残高欄が加わります。勘定科目ごとの取引のあった日、取引の発生した原因、残高などが確認できます。

税務調査が入ったときには、総勘定元帳は基本的に提出しなければならない帳簿のひとつです。

すべての取引を時系列でまとめた「仕訳帳」と、勘定科目ごとにまとめた「総勘定元帳」。この2つの帳簿は、主要簿と呼ばれており、会社法で作成が義務付けられている帳簿の中でも特に重要なものになります。
帳簿内容の正確性と管理方法には十分に注意しましょう。