伝票の歴史
経理を担当していると毎日納品書や請求書、入金伝票など様々な伝票を扱います。そんな伝票の歴史ってご存知でしょうか?過去の流れがあって、現在の伝票体制になっています。今回は伝票類の歴史と流れをみてみましょう。
活版印刷と複写用紙を使った伝票
活版印刷の手書き伝票が初期の伝票と言われています。
活版印刷とは、活字を組み合わせて作った版=活字組版を使った印刷方法です。印刷したい部分が凸状に製版されており、その部分にインキを付けて紙を乗せ、上から圧力をかけることで紙にインキを転写します。
この活版印刷は、1445年頃にヨーロッパのグーテンベルク氏が活字を使った活版印刷術を発明しました。大量複製を可能とした活版印刷術は、16世紀頃に日本にも伝来しますが、徳川幕府のキリシタン禁制により、明治時代になるまでその影を潜めることになります。
初期の伝票は、用紙の裏面に黒カーボン、青カーボンと言われるカーボン紙の複写用紙でした。
後にカーボンではなく、用紙全体に複写する為の薬品を塗り込んだ「ノーカーボン用紙」に徐々に切り変わっていくこととなります。(※複写枚数が多い場合など、稀に現在でもカーボン紙は使用されています)
オフセット印刷とドットプリンター伝票
そして印刷方式は、活版印刷からオフセット印刷へと移行すると共に、ドットプリンターの伝票、いわゆる連続伝票や複写伝票へと移行していきます。
オフセット印刷とは、教科書やポスター、会社のパンフレットなど大量にきれいな印刷物を印刷することに用いられる印刷手法のことです。
ドットプリンターに関しては、欧米から日本に伝わったためサイズ規格が「ミリ」ではなく「インチ」になります。
連続伝票や複写伝票のデータ作成時は、インチにのっとってデータを作成する必要があります。データを作成するには、ドットプリンター専用の版下データ作成用ソフトがありますが、通常の印刷作成ソフトのイラストレーターでも作成できます。
レーザープリンター用の帳票
さらにバブル期が過ぎ、景気が後退しコスト削減・利便性を求めドットプリンター用伝票からレーザープリンター用の帳票に移行していきます。
レーザープリンター用の帳票は「ヒサゴ」などから専用のソフトが出てますので、導入コストも手軽なことから好んでレーザープリンター用紙が使われます。
(※顧客数などが多い場合はドットプリンターで打ち出した方が早い場合もあります。ドットプリンターの需要が完全になくなったわけではありません。)
現在
近年、インターネット普及によりペーパーレスへ時代へと突入し、コロナ禍により在宅勤務が増えより一層電子化が進みました。
電子化に伴い、請求書や納品書などといった伝票類を、パソコンで個々のユーザーがPDFファイルなどをダウンロードする方法が多くなっています。
今回は伝票の歴史についてご案内いたしました。
ペーパーレス時代による電子化が進み紙媒体の伝票などは不要という声もありますが、需要もまだまだ多くあります。昔からの印刷手法の活版印刷は、文字や線だけの印刷内容の場合、手軽に安く伝票を印刷できるためを使用されることが多いです。
複写伝票や納品書や請求書など含む伝票類の印刷、領収書などでお困りの際は、伝票印刷どっとこむに気軽にご相談ください。